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「幸せの行方」 その15 ホノルルでの日々

2017.12.18 (Mon)


朝方にエアポートに着いた飛行機を降りて、
タクシーで宿泊するホテルに向かった。

学生向けの寮も斡旋してくれてはいたが、
他のことで気を使うことは嫌だったので、
安価な短期滞在型のホテルを予約していたのだ。

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ワンフロワーの部屋であったが、天板の広い机や、
清潔なバストイレも完備していて、
勉強に集中できると思えたし、
始めは、華子と二人で広い部屋とも考えたが、
期間中の時間の使い方もきっと違うだろうからと、
それぞれの部屋にしたのは、やはり、良かったと思えた。

荷物を部屋に置くと、大学に挨拶に行くことにした。
実際に行ってみると、ゆっくりと歩いても行ける距離で、
毎日の通学には近いのはありがたいと思えた、
治安も良く、申し分ないように思える。

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大学の職員の方から、
受講日程の他に、明日の夜は、
ウェルカムパーティがあることなどを教えてもらうと、
のんびりとホテルに戻り、
授業が始まったら、勉強できっと忙しいだろうからと、
着替えてビーチに行ってみることにした。

モデルのようなスタイルの華子は、
いくらも歩かないうちに、何人もの男性から声を掛けられていた。
僅かばかりの水着に隠された胸や、
長くスラリと伸びた足は、外国の女性と比べても、
まったく、遜色がなかった。

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傍らの里子は、可愛らしい顔立ちと、小柄な身体、
そして、ストレートな黒髪。
胸も腰もよく張ってはいるが、
きっと、子どものように見られていたと思えた。

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ビーチの椅子に寝転んで、トロピカルジュースを飲んでいると、
また、いろいろな男性から、声を掛けられる。
白人や黒人、そして、日本人。
そんな男性を、上手にあしらう華子の様子と英語力を、
里子は、少し驚くような眼差しで見ることになった。

家族旅行で、何度かホノルルには来ていたが、
やはり、来るたびに楽園という言葉を感じる。
見事なヤシの木、爽やかな潮風、そして、美しい海。
想いもかけない昨夜の飛行機の中での出来事もあり、
明日からの、忙しい勉強の前に、十分に休養ができた心持ちであった。

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次の日は午前中のガイダンスの後、午後から早速講義が始まった。
基礎医学研究の専攻を希望している里子にとって、
どうしても、力を付けておきたい分野の勉強とあって、
日本の大学での講義以上に、緊張した趣であった。

音ばかり大きい割には、あんまり効かないエアコンのため、
薄っすらと鼻の先に汗を浮かべながら、
それでなくても、ヒアリングに自信がなかった里子は、
ノートを取ることに、余念がなかったのだった。

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初日の授業が終わると、流石に、ホッとした。
当然、全て英語での内容であったが、思ったより理解ができたと思えたのだ。
テキストやノートを重ねながら、
涼しい顔をしている華子は、
これから、開かれるウエルカムパーティを大いに楽しもうと言う。
里子も、ほどほどにとは思ったが、楽しみにしていた。

見事に手入れされた芝生の庭に、ビフェパーテイの準備がされていた。
その庭を囲むように、背の高いヤシの木が並んでいる。

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一度、散水をしてあるのだろう、涼しい風が会場を吹きぬけていた。
大学からの挨拶の後、各地から集まっている30人ほどの学生が、
一人ずつ自己紹介を始めた。
年齢や人種、これまでの学歴など、多種多様で、
そして、優秀な学生たちであると思われ、
実に興味深く感じられた。

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里子も、愛らかに片言だと思われるだろう英語で、
出身が、日本の京都であり、そこにある国立大学の医学部に在籍していること、
今は、細胞のことに興味があること、などを話した。
自分では、上手く話せたように思えたが、
「子どもは、ママのところに帰る時間だ」と、親しみを込めた声も聞こえ、
周りからも、友好的な歓声が聞こえた。
小柄の里子が、ひどく幼く見えたのは、間違いなかったのだろう。

お酒も進み、至る所で明るい歓声も聞かれ始めたころ、
近くのスタッフが、里子たちのグループに声を掛けた。

「仲良しになることは悪いことではないが、
準備を怠ることなく、友情を深めるように、
もし、あなたたちが、若いパパやママになることを望まないのなら」
というような、内容であり、
クラブハウス内のテーブルの上には、誰にも分かるような箱の中に、
充分な量のスキンが置いてあるとのことであった。

里子は自分のヒヤリング力の不足かもしれないとも、思ったのだが、
確かに、既に多くの男女が、薄い木立の闇の中で向かい合っていたのだ。
華子も離れたところで、背の高い白人の学生と、
親しげに話をしている。
アルコールのためか、里子も胸の鼓動を感じた。
そんな彼女の心持を見抜くように、
ひとりの男性が声を掛けてきたのだった。

ボストンにある大学で基礎医学を学んでいるという彼は、
確かに、その大学のネームが入ったポロシャツを着ていた。
典型的なアメリカンな学生の装いで、
薄い金髪にクールカットが、ハンサムな顔立ちによく似合っていた。

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日本人と話すのは始めてだという彼は、
里子の英語がたどたどしいことを分かって、気を利かせてくれたのだろう。
ゆっくりと、そして、はっきりとした口調で、相手をしてくれる。
里子も、彼の気遣いに感謝しながら、
それなりに、なんとか話をすることができたと思え、
安心して、会話を楽しむことができた。

暫くすると、ビーチに行こうと手を引かれ、
クラブハウスの部屋の中を通たのだが、
彼は、通りすがりのテーブルの上にある、目立つつ宝箱の蓋を開くと、
その中にあったものの数個を、手にしてポケットに押し込んだ。
それを見た里子は、あっと声が出そうになった。
それは、先程スタッフが言っていた、スキンの入った箱だったからだ。

里子は、慌てて手を振り払おうとも思ったが、
きっと、そんなことにはならないだろうとも思え、
彼について、恋人たちの浜辺に向かったのだった。

浜辺近くの高層ホテルの見事なライトアップが、
砂浜と波打ち際にまで、その淡い光を落とし、
ホノルルらしい美しい夜景が待っていてくれた。
その光を遮ったパラソルのお陰で、
薄っすらと陰を落とした布製のビーチベッドの上では、
恋人たちがそれぞれの愛をささやき、そして、口づけさえ交わしている。

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里子も、手を引かれて傍らのビーチベッドに腰を下ろすと、
重なるように横になった。
そんなつもりじゃないわって、言ってみたつもりだったが、
彼には、上手く通じなかったのかもしれない、
首に手を回され、あっと、言う間に、
胸に手をあてられてしまうと、
彼の手は、薄手のドレスのボタンと、
その下に隠れていた下着のホックを上手に外したのだった。

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日本人であれば、その綺麗な形の美しい乳房も、
周りの外国の女性と比べると、やはり、ボリュームがないだろうと、
そう思ってもいた里子だが、
そんなことより、その乳房に吸いついた、彼の頭を、
僅かな力で引き離そうとしたが、
やはり、それは、無駄なことだと諦めるしかなかった。

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彼の唇に吸われた乳首から、それは、どうしようもない、
女としての甘い喜びが、身体中に広がっていく。
酔いと、疲労感と、気持ちの良い涼風が、身体を包み、
彼の求める時間に、自分が誘われていくことがわかった。

「優しくしてあげてね、里子は、まだ、子どもだから」

不意に、ビーチベッドの頭の上から、声が聞こえた。
それは、振り返るまでもなく、
先程の男性に腰を抱かれて近づいてきた、華子の声だと思えた。
はっとした里子は、胸元を重ね合せると、
彼の身体からすり抜け立ち上がった。

恥ずかしい場面を華子に見られた驚きと、
勉強に来ているはずのこの場所で、
求められたこととはいえ、それに、流されようとした自分が情けなかった。
それでも、キョトンとしていた彼に謝ると、
後ろから潮騒が追いかけてきて、
その間に、華子たちの笑い声が聞こえていた。

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15:02  |  「幸せの行方」  |  Trackback(0)  |  Comment(4)
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