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マスカレード2

2019.10.19 (Sat)


「来てくれたんだね」

Tへの応えの言葉を見つけられないまま、目を伏せましたが、
それでも、Tと隣り合う助手席に、ゆっくりと座ると、
車内には、懐かしいTの、良い匂いが漂っているように思えました。

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大学時代、京都で暮らした私、神戸もこれまで、何度も訪れたことがあります。
人を案内するほど詳しくはないけど、今、目の前に流れ去る夕暮れ時の光景は、
これまで、何度も見たことのあるものでした。

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そっと、被せられた彼の手のひら、拒むことはできませんでした。
断っても良かった今度のこと、
こうして来てしまった理由は、その時も、わからないでいたんです。

二人が他人ではないことは、まぎれもないことです。

兼六園の暗がりの中で、身体を繋ぎあうことを拒むために、
自分から彼の男の人のものをお口に含んで、そして、おびただしい精液を飲み下しました。
能登にある彼の別荘の近く、早朝の林の中で、とうとう、初めて彼のものを迎え入れ、
何も遮るもののないまま、男の人のしるしを注がれました。

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愛してやまない夫がいる人妻だというのに、
彼に求められるがままに、幾度となく身体を開き、性器を擦りあったのです。
そして、それは、夫も承知の上のことなんです。

被せられた手のひらの温かさには、
そんなそれまでの、彼との二人の時間を、思い起こさせるものだったのかもしれませんね。

レストランで食事を済ませて、
神戸の街から、幾らか山手の方に登りあがって行くと、
山の中腹くらいになるんでしょうか、道路から少し狭くなった分かれ道の方に入って、
暫く走ると、急に見晴らしが良くなり、
薄いオレンジ色の明かりの中に、
別荘づくりの素敵な大きな建物が見えてくると、
Tがぽつりと口を開きました。

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「ちょっと、面白いパーティーなんだ」
「えっ、何、面白いって?」

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数週間前、いつもの駅前の背の高いホテル、それも、一番上のラウンジで、
桐子さんたちと、ランチを終えたところでした。

「桐子さん、香港、どうだった。美味しいもの、いっぱいだったでしょ」
「えぇ、やっぱり、本場の中華料理、いいわよね」
「いいなぁ、私も、どこか旅行、おねだりしちゃおうかなぁ」
「ふふ、そうしなさいよ。あぁ、それより、最近、ちょっと刺激的なこと、あったわ」
「刺激的?」
「そう、びっくりするようなパーティーがあって」
「パーティー?」
「そう、Tと神戸に行ってね」
「神戸、まぁ、良いわね、香港の次は、ご夫婦で神戸旅行」
「そうなの、それが、ここじゃ言えないようなパーティーでさ」
「どんなパーティーなの」
「それが、知らない男の人とね」
「えっ 知らない人と?」
「そうなの、初めて逢った知らない男の人と」
「えっ 何?」
「セックス、しちゃったわ。それも、一晩で三人と」
「嘘!」
「なんだか、そんな秘密のパーティー、Tの知ってる人が開いてて、連れていかれちゃったの」
「だって、Tさんも一緒なんでしょ」
「えぇ、でも、彼もいろいろと楽しんでたみたい」
「まぁ」
「順子も行ってみたら、
たくさんの男の人、あなたの身体に群がるの間違いないわよ」
「やだぁ、そんなこと、怖い」
「あぁ、思い出しても、身体が熱くなっちゃう。
夫以外の人に抱かれるって、どうして、あんなに良いのかしら、
恥ずかしいけど、気を失っちゃったわ。ふふ」

「ちょっと、面白いパーティーなんだ」
「えっ、何、面白いって?」

けれど、Tからの応えを聞く前に、自動車は止まって、
外側からドアを開いてくれたTに手を取られ、建物に入っていくことになったんです。

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