稲佐山からの夜景2
2016.11.07 (Mon)
「さぁ、ここですよ」
そう、言いながら、私の手を取ってタクシーを降りたのは、
長崎駅のすぐ横にある、背の高い、立派なホテル。
ちょっと、驚いて、彼のこと、振り向くと、
「残念ながら、バーは二階だから、夜景は、さっきほどじゃないけど、雰囲気は悪くないよ。
それに、僕に任せてくれるって、言ってくれたよね」
そう言うと、少し慌てていたと思う私の手を、ちょっと、強引に取ると、
エントランスに誘ったのでした。
「月の光」って、ありきたりなお店の名前だったけど、
彼が言ったように、素敵な雰囲気でした。
彼に勧められて、ジンベースのカクテルを頂いたのが、間違いだったのかしら、
随分と、自分が酔っているのがわかりました。
「こうして、今夜、君に逢えて良かった」
「えぇ、私も、楽しかったです」
「でも、本当に綺麗だよね。それに、上品だ。
この店に来るまでに、何人もの人が振り返って君のこと見てたよ。
きっと、女優さんかなんかと、間違ったのかもしれないね」
私、うつむいて、小さく、髪を揺らしましたよ。
「申し分のないスタイルなのに、胸元は、驚くほど豊かだし」
「駄目ですよ、そんなこと、言ったら」
「あのブログのお陰で、
君の、そのドレスの下に隠れている素敵な胸、見ることができるんだね」
ブログには、私の胸、何も身に着けていない身体、
そして、主人との営みの写真がUPしてあります。
知らないうちに、主人が貼りだしたものなんですけど、
仕方ないのかなぁって、そのままにしてあるんですよ。
「だんな様は、幸せだよね、その身体、好きにできるんだから」
「分からないわ、幸せなのかどうか、だって」
「だって、そんな君を、他の男に抱かせているんだから」
「あぁ」
ブログ、熱心に読んでいただいている彼、
これまでの、私のことの、一部始終は、知っているんだから、
目を伏せて、聞こえないふりをして、甘い溜息をつくしかなかったんです。
二杯目のカクテルが、運ばれてきました。
展望台と、このお店と、いつも以上に、お酒、飲んでいるのがわかりました。
身体の芯から、赤い熱いものが沸き上がってきて、
きっと、とろんってした、眼差しだったのだろうと思います。
二階のバーではありましたが、
長崎市内のビルの間から、先ほどと同じような、色とりどりの街の灯が、
そんな、眼差しの向こう側に、揺れながら見えていました。
なぜ、彼が、そうしたのか、わかりません。
永い時間、本当に、私のこと、優しく抱いていてくれていたと思ったのに、
唸るような、低い声を聞かせながら、
それまで、私の身体の奥を味わっていた男の人のもの、急に引き抜くと、
慌てるようにして、私の胸元にまたがってきたんです。
そして、本当は、私の中に、そのまま、注ぎ入れたかったはずの、自分の男の人の液、
私のあご先に、頬に、そして、口元に、振り撒いたのでした。
私の身体の奥で、それまで以上に、太く固くなった彼の男の人のものの、
跳ね上がるような動きに誘われて、
何度目かの強烈な悦びの頂に、昇り詰めさせられていた私、
自分では、どうしようもない、身体を走る強い麻痺に襲われながら、
その、驚くほどたくさんの、熱い、飛沫を、顔に、浴びせられ続けられたのでした。
二度、三度、それは続いたように、思えます。
温かく、強い匂いの彼の液、まぶたの窪みや、髪にまで届いていることが、
恥ずかしい細い声を漏らし、悦びの余韻に浸るまでの僅かの間に察せられ、
注がれ続けられた、その量に、呆然とするしかなかったのです。
名残の白い液を滴らせた、初めといくらも変わらない彼のもの、
私の乳房に擦り付けられ、谷間とふくらみを幾度となくなくなぞり、
固く尖ってしまっていた乳首を、何度も突きながら、
時折、残っていたかたまりのような液を流し、私の身体を、濡らし続けたのです。
青い匂いが部屋中に、漂っていたと思います。
短くはなかった時間のお陰で、
やっと、喘ぎが治まりかけた私の顔に、彼の、両手が触れると、
その広い手のひらで、今しがた、振りまいた、自分のしるしの液を、
私の肩口や、乳房に塗り付けたのでした。
おびただしい液が、頬や唇を流れているのが分かりましたが、
彼が満足してくれるまで、目を閉じて待つしかないと思った私でした。
けれど、幾らもしないうちに、
くちびるにやわらかいものが、触れてくれるのが感じられました。
そして、それは、疑いのない、男の人のものであることが察せられ、
言われもしないのに、私、うっすらとくちびるを開き、
差し入れられてきた、彼のもの、お口の奥にまで、咥え込んでしまったのです。
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