FC2ブログ
03月≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫05月

2015.04.03 (Fri)


中学時代に親しくしていた友達から電話があり、
私も良く知っている妹さんに、
三人目のお嬢さんが産まれたとのことだったので、お祝いに行ってきました。
ご馳走するからって言われてたんで、久し振りに電車で行ってきたんですよ。

708a1349a218612fa2a95c7bcb66661e.jpg


三人目と言うこともあって、妹さんも子育てに慣れた様子。
上の子どもさんたちと一緒で、お母さん似で本当に可愛らしいんですよ。
赤ちゃん、胸元に抱いて、おっぱいあげているの見ていると、
私も昔のこと、思い出しました。

胸がおっきい人、お乳は心配って聞いてたんですけど、
幸い、沢山出て、二人の子どもたち、母乳で育てること出来ました。

家にあったミルクって、試供品でいただいた小さな缶、ひとつだけだったんです。
それも、とうとう、開けることなかったんですよ。

milk.png


そんな頃、赤ちゃんの泣き声が聞こえると、自然とおっぱいが張って困りました。
パパにも、お願いして、時々飲んでもらってはいたんですが、
赤ちゃんの吸い方と違って、ちょっと強すぎるし、
それに、舌やくちびる使って、いろいろされちゃって、
私の方が我慢できなくなり、そのまま、母乳が吹き出すおっぱいにタオルあてながら、
リビングで抱かれちゃうこと、結構、ありましたね。ふふ。



赤ちゃんが寝ている間に、
近くのお寿司屋さんから届いた、贅沢なお料理、
ちょっと、お酒も頂いて、昼下がりの淡い日差しの射すリビング、
楽しいお話いっぱいしました。
友達も妹さんも、それぞれの旦那様と幸せな家庭築いているみたいで、
本当に、良かったです。

駅まで送ってもらい特急に乗り込むと、
窓際の席に腰を下ろしました。
気付くと、生憎の細い雨が、窓を濡らし始めてました。

日頃は、パパの自動車で移動すること多いけど、
本当は、電車の旅、とっても好きですよ。

別に鉄道ファンじゃないけど、いいですよねぇ、列車の旅。
そんな時間しばらく楽しんでると、
残りいくつか駅のホームに、私を乗せた電車滑り込みました。

images (5)


あら、見覚えのあるレインコート。
黄昏の人ごみの中に、それを見つけた私、思わず胸を震わせました。
早い足取り、背の高いスマートな装い、
それは、まぎれもなく、昔、身体を繋ぎ合った、そう、あの人だったのです。

642861_11_m.jpg


私に気付くかしら。
彼の姿、一度視線の後ろに流れ去りましたが、
発車のベルが鳴り終わり、電車が動き始めていくらもしないうちに、
後ろのドアから入ってきた彼が、私のすぐ横の通路を歩き去り、
三列ほど前の通路側の席に腰を下ろしたんです。

シートの間から、間違いのない端正な顔が伺えました。
けれど、懐かしさの一歩手前で、こみ上げてきたあの頃の思い出。

e231_2.jpg

人妻でありながら、
思いもかけず彼の男の人のもの、始めての女性として、自分の身体に迎えた夜。
テーブルマナーや、ジャケットの柄の選び方を教えたように、
私が年上の女性として、リードするつもりだった男女の営みのこと。

そんな人に言えない夜を重ねるうちに、
いつのまにか、その若さと激しさに翻弄され、
彼のこと、どうしようもなく、忘れられない身体にさせられていたのでした。

唾液を啜り合い、悦びを告げる恥ずかしい声を聞かせたわね。
隙間のないほど彼のもので繋がりあった私の身体の奥に、
あなたの温かい男の人の液、あんなに何度も注いでくれた。

身体が少しでも離れることが嫌で、
両腕と太ももであなたの身体をいつまでも抱きしめていたわ。

022.jpg


けれど、二人が付き合いだして半年ほど経った頃、結婚をして父親になった彼。
それまでのように、身体を繋ぎ合う時間はだんだんとなくなってきて、
私は、彼と逢う前と同じように、
主人からだけ愛されることを求める人妻に、少しずつ戻っていったのです。

シートの間から見える彼の横顔を、溢れそうな涙を我慢しながら見つめていました。
あなたに逢えなくなった今も、
その時のこと、忘れることできないままに暮らしていること、
さりげなく、告げたかったのに。

あれから、随分と永い時間が流れました。
変わったのは、俯いた彼の眼差しと、あの頃より少しだけ伸ばした私のこの髪。

今は、それぞれの待つ人のもとへ、こうして戻って行くのね。
規則正しく続く電車の振動を、そんな風にして、感じていたのです。


暫くすると、彼と私の降りる、終点の駅に着きました。
彼は、とうとう私に気付くことなく立ち上がると、
そのまま振り返ることもしないで、電車の前のドアに向かって歩き出したんです。

彼の姿がそのドアの向こう側に消えたのを見て、
私もゆっくりと立ち上がりました。

ホームに降りて、彼の後姿を探すと、人ごみの中にそれを見つけることができました。
きっと、彼、幸せな生活だろうけど、
そんな後姿、今の私には、やっぱり、ひどく哀しく見えたのです。

DSC02448_convert_20120906185858.jpg


改札口を抜けたころには、彼のその後ろ姿も、人々たちの背中の中に紛れてしまい、
それまで降っていた小雨がやみかけた頃には、
いつものありふれた夜が、この街をゆっくりと包み抱こうとしていたのでした。

20130905_869310.jpg


14:33  |  よし君とのこと  |  Trackback(0)  |  Comment(11)
 | HOME |  NEXT